アレルギーが原因となる病気は、大まかに以下の4つの分類に分けることができます。
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アトピー性疾患
アトピー性皮膚炎: 皮膚の乾燥とかゆみを伴う炎症性の慢性疾患。アレルギーが関与することが多いです。
気管支喘息: 気管支の炎症がアレルギー反応によって引き起こされ、喘息発作が起こります。
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アレルギー性鼻炎
季節性アレルギー性鼻炎: 花粉症とも呼ばれ、花粉が原因で鼻づまり、くしゃみ、鼻水などが起こる。
通年性アレルギー性鼻炎: ほこりやダニ、ペットの毛、カビなどが原因で通年で継続的に症状が現れるアレルギー性の鼻炎の一形態です。
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食物アレルギー
特定の食品に対するアレルギー反応: 特定の食品(卵、牛乳、ピーナッツなど)に対して免疫系が異常な反応を示し、消化器症状や呼吸器症状が現れる。
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その他のアレルギー性疾患
アレルギー性結膜炎: 目の結膜がアレルギー反応によって炎症を起こし、かゆみや充血が生じる。
アレルギー性紫斑病: 血管の炎症がアレルギーによって引き起こされ、皮膚に紫斑が発生する。
これらのアレルギー性疾患は、個々の症状や発症機序が異なりますが、
共通して免疫系の異常な反応が原因である点が特徴です。
治療は、アレルゲン回避、対症療法、抗アレルギー薬、免疫療法などが含まれます。
アレルギー検査を受けるタイミングは、症状が顕著であるときが一般的に適しています。
以下は、アレルギー検査を受ける際の一般的なガイドラインです。
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症状が現れている時期
アレルギー検査は、アレルギー反応が顕著なときに受けるのが良いです。
例えば、花粉症の場合は花粉の飛散がピークの季節、ハウスダストやペットのアレルギーの場合は症状が出ている時期が該当します。
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アレルギー症状が慢性的な場合
症状が一年を通して持続している場合、通年性アレルギー性鼻炎や慢性的な皮膚症状などが考えられます。
このような場合でも検査が行われます。
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アレルギーが疑われる場合
特定の物質や環境に対するアレルギーが疑われる場合、検査を行ってアレルゲンを特定することができます。
例えば、特定の食物、花粉、ハウスダストなどに対する感受性を確認するために検査を行うことがあります。
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治療法を決定する場合
アレルギー検査の結果を元に、具体的な治療法やアレルゲン回避のアプローチが立てられます。
検査を受けてアレルゲンが特定されれば、それに対する適切な対策が打てるようになります。
How come
大人になってアレルギーに
なるのはなぜ?
アレルギーは、免疫系が通常は無害な物質に対して異常な反応を示す状態です。
なぜ大人になってアレルギーが現れるかについては、複数の要因が関与しています。
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遺伝的要因
遺伝的な傾向がアレルギーの発症に影響を与えることがあります。
親や兄弟姉妹がアレルギーを持っている場合、その遺伝的な要因が大人になってからアレルギーが現れる可能性が高まります。
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環境の変化
大人になると、生活環境や仕事環境が変わることがあります。
新しい環境で新たなアレルゲンに触れることが増え、それがアレルギーの発症に寄与する可能性があります。
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免疫系の変化
大人になると、免疫系が変化することがあります。
これにより、本来は無害な物質に対する過敏反応が引き起こされやすくなります。
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アレルゲンに対する曝露
特定のアレルゲンに長期間曝露されることが、アレルギーの発症に影響することがあります。
例えば、仕事場でのアレルゲンの曝露や環境汚染が原因となることがあります。
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免疫応答の変化
幼少期においては免疫系が未熟なため、アレルギーが発症しにくいことがあります。
しかし、成長とともに免疫応答が変化し、アレルギーが発症しやすくなることがあります。
これらの要因が組み合わさることで、大人になってからアレルギーが現れることがあります。
アレルギーの治療には、原因となるアレルゲンを特定することが重要です。
アレルゲンを特定することで、適切な治療法を選択することができますので、原因となるアレルゲンを特定するためのアレルギー検査を受けることが治療の第一歩です。
阪神尼崎駅前皮フ科スキンクリニックでできるアレルギー検査には、以下のようなものがあります。
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ドロップスクリーン検査
ドロップスクリーン査は、従来の採血するアレルギー検査と比べて負担が少なく、30分程度と短時間でアレルギーの原因となるアレルゲンを特定できるアレルギー検査です。
アレルギーが疑われる鼻炎、湿疹、じんましん、かゆみなどの症状のある方は、保険適用でドロップスクリーン検査(アレルギー検査)を受けて頂けます。
指先から少量の血液をスタンプで採血するだけで痛みも少ないため、小さなお子様でも安心して検査を受けることができます。
ドロップスクリーン検査
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View39検査
View39検査は、血液中のIgE抗体(アレルギー反応に関与する抗体)の量を測定して、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に対する反応性を調べる検査です。
View39検査では、吸入系アレルゲン(スギ、ヒノキ、イネ科、ダニ、ハウスダスト、カビなど)と食物アレルゲン(卵、乳、小麦、そば、落花生、カシューナッツ、クルミ、ピーナッツ、エビ、カニなど)の39項目のアレルゲンを一度の採血で調べることができます。
39項目のアレルゲンを調べることができるため、アレルギーの原因を効率的に調べることができます。
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RASTアレルギー検査
RAST検査も、特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対してのみ反応する特異的IgEの量を調べる検査です。
血液中の特定の抗体の量を調べることで、患者のアレルギー反応を引き起こす物質を特定します。この検査は、特定のアレルギーに対する反応を定量化するために用いられます。
保険適応となるのは1度の検査で13項目までとなります。
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リンパ球刺激試験
リンパ球刺激試験は、アレルゲンに対するリンパ球の反応を調べる検査です。
者のリンパ球に対するアレルギー反応を調べることで、特定のアレルギーに対する免疫応答を確認します。特定の物質に対する免疫反応を調べるために使用されます。
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皮膚検査(パッチテスト)
皮膚検査は、アレルゲンを皮膚に貼り付けて、アレルギー反応を調べる検査です。
比較的簡便に行うことができるというメリットがありますが、検査結果が正確でない可能性があるというデメリットがあります。
※現在、当院では実施しておりません。
アレルギーの治療法には、以下のような
ものがあります。
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原因物質の除去
アレルギーの原因となる物質を避けることが、最も効果的な治療法です。
例えば、花粉症の原因である花粉を避けるために、外出時にマスクやゴーグルを着用したり、花粉の飛散量が多い時期には外出を控えたりします。
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薬物療法
原因物質を除去することが難しい場合や、症状が強い場合は、薬物療法が行われます。薬物療法には、以下のようなものがあります。
【抗ヒスタミン薬】
アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの働きを抑える薬です。鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの症状に効果があります。
【ステロイド薬】
炎症を抑える薬です。鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などの症状に効果があります。
【気管支拡張薬】
気管支を広げる薬です。喘息の発作を抑える効果があります。
【アドレナリン自己注射薬】
アナフィラキシーショックなどの重篤なアレルギー反応を抑える薬です。
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免疫療法
アレルゲンを少しずつ体内に入れることで、アレルギー反応に身体を慣れさせアレルギー反応を抑える治療法です。
アレルギーの症状が重い場合は、原因物質の回避と薬物療法の組み合わせで治療します。また、免疫療法は、アレルギーの根治を目指す治療で、舌下免疫療法などがあります。